キューバ 基本情報

キューバ(Cuba)

「人類が目にした最も美しい地」とコロンブスに言わせ、最上級のキューバン・ラムがヘミングェイを酔わせ、ハバナ産の葉巻をチャーチルは死ぬまで離さなかった。

歴史に翻弄されながらも独特の文化が息吹く「カリブの真珠」キューバ、中世の雰囲気が漂う街角には世界の音楽を変えてきたリズムが溢れ、踊る事の楽しさを伝えてくれる。

正式国名
キューバ共和国 REPUBLICA DE CUBA
首都
ハバナ LA HABANA
元首
ラウル・カストロ・ルス RAUL CASTRO RUZ
人口
1,100万
公用語
スペイン語
国土面積
11万1,000平方キロメートル 日本の本州の約3分の1
キューバの自然

北アメリカ、フロリダ半島の南方約145kmに位置し、西インド諸島中最大の島であるキューバ島とその周辺の島からなる、中南米で唯一の社会主義国です。

1902年アメリカより独立。主要産業は砂糖きびとタバコです。

キューバ島は、カリブ海と北大西洋とのあいだに位置し、ジャマイカ島、イスパニョーラ島、プエルトリコ島とともに大アンティル諸島を形成しています。東西の最長距離は1,255km、南北の幅は平均97km。海岸線は3,735kmにおよびます。

海岸線は珊瑚礁とマングローブで縁取られ、白砂の海浜は280を数え、複雑に入り組んだ入り江が多くの良港となっています。

山岳地帯は全体の1/4、平均標高が91mを下回る平らな島で、ほとんどが平地あるいは、なだらかな丘陵地帯からなっていますが、東南部では山岳地帯があります。

海洋に囲まれた環境と、ゆるやかな北東の貿易風が、キューバを穏やかな熱帯気候に包んでいます。乾期(11月から4月)と雨期(5月から10月)とに分かれており、年間平均気温は約25度。冬は21度、夏は27度となり、常夏の島とも言われています。

キューバの歴史

19世紀に入り独立運動が高まり、1868年の第一次独立戦争、1895年の第二次独立戦争を経て、1898年の米西戦争のアメリカの勝利の産物として形だけの独立を与えられる事になるが、事実上はアメリカの軍政支配下での独立であった。

1902年には共和国成立となるが、アメリカ覇権主義の名の下に行われたアメリカ資本の経済支配は腐敗政治を生み、その後のバチスタ政権の圧政はカストロによる革命を起こす要因ともなる。

1959年にカストロ、チェ・ゲバラに率いられた革命軍がバチスタ政権を倒し臨時政府を樹立、農地改革、主要産業の国有化等でアメリカ資本からの脱却を狙うが、これが元で両国の関係悪化、社会主義路線を歩み始める。大国の狭間で必然的に冷戦構造に組み込まれ、後に起こるミサイル危機(1962年)等に発展。革命当初工業化促進を掲げるが、東欧の社会主義諸国との経済相好関係で砂糖中心のモノカルチャ経済へ逆戻りする。 70年代の世界的砂糖の高騰で経済的、政治的にも安定。

しかし1989年ソ連崩壊以降突然それまでの経済構造が崩れる。対外貿易の80%を、ソ連を中心にした東欧諸国に依存していたキューバとしてひとたまりもなかった。それに加え革命以降続くアメリカのキューバへ対する経済、貿易封鎖も東欧の社会主義諸国の消滅に乗じカストロ政権転覆を狙って激しさを増し、深刻な物資不足に見廻れた。『平時における特殊期』とカストロ首相は革命後最大の経済危機をそう称した。

この危機的状況を打破するため外貨保有の合法化、外国投資法の整備、主要産業の観光への移行などで、緩やかな経済の市場開放を打ち出し、徐々に経済危機が解消、1995年には経済成長率が10%近くまで達し、安定を取り戻し今に至る。